‐StoryⅡ‐崩壊‐

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‐StoryⅡ‐崩壊‐

痛い。 それに……凄く……暑い。 気持ち悪い。 ……痛い。 なんだ? どうしたんだ? 「ぅ……」 「あ!オイ気がついたぞ!」 声が聞こえる。 てかマジで痛い。 体中が痛い。 動かそうとすると酷く痛む。 「大丈夫か?」 目が、開かない。 開こうとすると刺すような痛みが奔る。 「オイ!なんとか言えバカが!」 「ゥル……サィ……」 「なーにがウルセェーだ、起きろ!」 「痛ッ……」 無理矢理引っ張られ起き上がった体に激痛が奔る。 染みるような苦痛に耐えていると、何かで顔を拭かれた。 「アオイ……にツナ、ヤマトも」 アオイがオレの体を支え、ツナがタオルでオレの顔をしつこく拭う。 「よかった、無事みたいで」 「……無事?」 ヤマトの言葉を理解できず、オレは立ち上がると、その時周囲の異変に気付いた。 崩壊した教室。 一つ残らず倒れた机。 ひしゃげた椅子。 割れた窓ガラス。 床に撒き散らされた教科書やガラス片、木片。 そして、それらを赤く染める血。 死臭を放つ遺体。 よく知ったクラスメイトが、目の前でコンクリートに挟まれ死んでいる。 辺りのその凄惨な姿に目を奪われ、俺の思考は停止した。 「何だコレ?」 誰に聞いたわけでもなく、オレは一人呟いた。
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