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「何なんだよ……」
「分かんねぇーよ!」
再び呟くと、アオイが突然叫んだ。
「分かるはずねぇーだろ!」
頭を抱えてアオイは言うと、転がっていた椅子を派手に蹴飛ばした。
ツナも不安そうな顔をし、ヤマトは脅えるようにしている。
「落ち着けアオイ」
「はぁはぁ……ウルセェー!」
暫らく放っておいたがいいか。
てか、今起きたばかりの俺が制止役かよ。
ツナとヤマトに疲れきった視線を向けると、二人は様々な思いを秘めた様子で首を振った。
取り敢えず自分が落ち着くためにも状況整理だ。
とにかく、いつもの教室が、いつもの教室では無くなっている。
……この状況、災害に巻き込まれたと考えるのが普通か。
「何が起こったかは分からないんだな?」
「やな」
「うん」
「生存者は体育館か?」
「やな」
「うん」
こういうときは、この二人が頼りになるな。
携帯を取り出して時刻を見ると、7月1日の午後11時30分。
やけに暗いのは真夜中だからか。
携帯は圏外だ。
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