‐StoryⅡ‐崩壊‐

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「ツナ、寝たのか?」 ふと気付くと、ツナが寝息をたてている。 隣のヤマトも丸くなって眠っている。 寝顔はあまりいいようには見えない。 それに、二人とも凄い汗だ。 状況が状況だから当たり前といえばそうだが、恐らく根本的な原因は単純な暑さだ。 何か異常に暑い気がするのは、オレだけか。 手で扇ぎながら外を見ると、風が全く無いのが分かった。 変だな、こんなに曇っているなら……それなりに強い風が吹くはずだが……。 暗黒の夜空に星は見えない。 月すら、影もない。 何故、雨が降らない? 奇妙な雲だな。 「どーしたカイ?持病の夢遊病か?」 「ん?戯れ言が聞こえると思ったらアオイのスイッチがONになってたか、OFFにするときは頭を二度叩くんだっけ、寝てろ」 「長い冗談が煩くて寝れねぇーよ」 「だな……ちょっと見て回らないか?」 「あらまぁ、デートのお誘いかしらん?」 いつも通りやる気のないアオイを連れて、オレはさほど広くもない体育館を彷徨う。 一年生の集団が、落下したバスケットゴールの周りで泣いている。 天井から吊り下がった鉄柱のもとで、野球部と思われる集団が何やら話し合っている。 一人の女子が、壁を見てニヤニヤしている。
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