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向かいながらオレは携帯を取り出した。
おはようと言ったが、まだ辺りは真っ暗だ。
体の疲れ具合からしてもあまり寝れていないのはあきらかだしな。
何時間寝れたか気になる。
携帯が示す時刻は、7月2日午前9時。
「……え?」
オレは空を見上げた。
体育館の天井の隙間にあるのは、漆黒の暗闇。
暗黒の雲。
太陽を完全に覆い尽くすほど厚い雲?
そんな……ありえない。
「カイ、おは」
「ツナ……いったいどうなってやがるんだ?」
「ワシもわからんわ」
空を見上げながら手洗い場にいたツナのもとへ向かい、二人で空を見る。
よく見ると真っ黒な雲が蠢いているのが分かった。
やはり暗闇の原因は厚い雲にあるらしい。
ただそれだけ、それだけだ。
他には何も無い。
非常時には救助ヘリと、捜索ヘリが空を旋回するはずなのに、昨日からその気配もない。
もしかして……。
「オレの予想より……遥かに強大な何かが……起こってるのか?この京都で」
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