‐StoryⅠ‐仲間‐

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「おはよう、ツナも今来たのか」 随分遅れながら、嫌々学校に登校した俺が最初に見付けたのは、教室前の廊下で、窓の外を眺めて黄昏ていた巨漢の男。 我が親友、津波【ツナミ】、通称ツナの姿だった。 ツナは長身の体を屈め、長めな髪を風に揺らす。 「当たり、なんか雨降りそうやん」 「え?」 言われて覗いた校舎廊下から見える空は、快晴だ。 「何処が?」 「なんかそんな気がするだけ、嫌な気分やねん」 「へぇ……まあ大丈夫だろ、じゃあ後でな」 ツナの勘はよく当たる方だが……気にしても仕方ないので、適当に会話をすませ俺は教室に向かう。 まだカバンを置いてないし、置いてから担任に遅刻を報告しにいかなくちゃならん。 「お早よう」 「は?早くねぇーよ」 「おそよう」 「ま、どーでもいいけどよ」 「ならつっかかるな腐れ蜜柑」 「なんだよその悪口?」 「いい悪口が思いつかなかった」 「悪口もてけとーかよ、死ね」 今日二度目の会話がこれだ。 オレの虫の居所の悪さに拍車がかかる。 だがまあ、こいつの言う通り、教室の窓から見える太陽は、おはようと言うには高く上がり過ぎていた。 オレと会話が噛み合うのはツナだけだな。 机に寝そべり、意味無くトゲトゲしい態度で話す男は我が親友……いや、というか敵か。 そんな感じの友人、青【アオイ】だ。 機嫌が悪そうに口を曲げ、目を閉じたままアオイは唸る。
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