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「おはようカイ」
「ああ、おそよう大和【ヤマト】」
いつも通り微笑みながら帛揶とともにいた男は、俺の友人の中で一番の常識人、ヤマトだ。
「機嫌悪そうだな、顔も悪いが」
「うるせぇーよ、寝れねぇーだろ」
「煩いのはお前だアオイ、いつもより数段にな、何かあったか?」
「そうだよ聞いてくれよ!」
急にテンションが上がったアオイが眠た気な眼を擦り、身を捩る。
「転校生が気にくわねぇー」
「転校生?」
「来たんだよ転校生が!」
夏休みが始まるこの時期に転校生?
普通2学期の頭から転校するだろ、何故今?
「朝よ、ヤマトを連れて登校してたら曲がり角でぶつかったんだよそいつと!なのにアイツ謝りもしねぇーホントウゼェー」
「そりゃいいな、お前が待ちに待った展開じゃないか、それとも食パンくわえ忘れてたのか」
「ウゼェー」
それだけ言うと、再びアオイは机の上に体を伸ばした。
てか本当にたったそれだけかよ。
「そんなにウザイ奴だったのかヤマト?秋葉系の男か?」
「えーと、女子だったよ、普通の」
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