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「普通の、ね」
ヤマトの言う普通のが、本当に普通のかはわからないが、机の数が一つ多いのは事実だ。
どうやら転校生がいるのは確からしい。
まあ、そんなことはどうでもいいか。
「ところでオレは今日で遅刻三回目なわけだが」
「ご愁傷さま」
「よっ、おめでとー」
実はオレは、担任と三回遅刻すると髪型を坊主にするという謎の契約を結んでいる。
一方的な契約だが、学生なオレは教員に従うしかない。
まあ実際に坊主にさせられることはないと思うが……多分……そう願いたい……。
てか、おめでとうって何だよアオイ、死ね。
「じゃあ体育教官室に行ってくる」
「自分から死刑台に行くとはナイス、死ね」
「ウルサイ、行かないと掃除させられんだよ、ヤマトついてこい」
「えー」
昼の戯れはその程度にして、教室を後にする。
階段を下りて、廊下を少し歩けば体育教官室というなの死刑台に行ける。
で、真夏の熱射に打たれ、なんの障害もなく体育教官室に辿り着く。
と思ったが……、
「痛ッ!」
「あ……」
体育教官室のドアが、オレが手を伸ばした途端に開き手の甲にぶつかる。
それほど痛くもなかったが、咄嗟に手の甲を擦っていると、中から教員でなく生徒が出てきた。
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