‐StoryⅠ‐仲間‐

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「………」 先ず思ったのは、何だこいつ、の一言だ。 灰色っぽい前髪が長く垂れ下がっていて、両目が隠れて見えない。 こんな奴……漫画くらいにしか存在しないぞ。 頭も下げず、そいつは校舎の方へと走っていく。 「変な奴だな……」 とにかくヤマトの言う普通ではないな。 もしかしてアレが? 「あ、アレが転校生だよ」 ビンゴかよ。 「そか、まあ……どうでもいい…」 確かにムカつくが、アオイほど気にもならないし、ヤマトほど興味も湧かない。 オレの頭は担任をどう退けるかだけだ。 ヤマトを残して半開きの扉をくぐる。 「失礼します」 中では何人かの教員が食事を取り、何人かの生徒が教員に説教されていた。 どうやらオレは順番待ちになるらしい。 暇だから体育教官室を見回す。 クーラーの効いた涼しい部屋だ。 教員どもが居なかったらずっと居たいくらいだ。
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