第三夜目 依頼

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第三夜目 依頼

ここは徹が運ばれた某市立病院、弾を取り出す緊急手術が終わり緊急治療室に徹はいた、銃撃事件という事で警察も事情を聞きに来たが本人がこの様子ではそれどころではなく、付き添いで来ていた木村 順に事情を聞き早々に引き上げていった。 『まったく、俺に聞いた所で何も解んねえっうの』 スーツ姿で自慢の茶髪の髪をかきながら近くにあるベンチに座わり腕時計を見る、さすが幹部というべきか見事な時計である、誰か人を待っているのだろうか。 『あいつ、こんな時だっうのにいやに遅いな。』 と、呟きながら下を向き親指の爪を軽く噛む…しばらくして一人の男が早足でこちらに向かって来た、かなり身長が高ガッチリした体格である。 『遅れてすまない、で、親父の様子はどうなんだ?』  木村は遅れて来た事に少しイラっときながらも、冷静に話し始めた。 『弾は取り出したみたいだ、後は体力しだいだが現状はかなりヤバイらしい。』 『そうか、じゃ後は親父しだいという事だな…』 木村、少し周りを見渡し内田の方を見て小声で… 『それより、内田、親父をやった奴の目星は解ったのか?』 『いや、まだ詳しくは…ただやり方からみて武内組が怪しいとは思ってる。』 『確かに、あいつらならやりかねないな…だが、やはり下手に動けないし、親父から直接聞いてからが一番良いな…よし解った内田は親父の警護に若いのを何人か寄越してくれ。』 『お前はどうする?』 『俺は調べたい事があるんでな、それを調べてくる。』 『何をだ?』 木村は内田に聞こえるような小声で… 『寿命師って知ってるか?』  『寿命師?なんだそりゃ?』 『俺も噂でしか聞いた事ないんだがなんでも人間の寿命を金で延ばしてくれる奴がいるらしんだ。』 この一大事にあまりに都市伝説的な事を言い出す木村に対して内藤は少しキレ口調で。 『あのな、お前は確かに頭もキレて洞察力もある、俺もそれは認める、だがな、親父の命と組の存続がかかってる一大事にそんな噂を調べるなんて、お前嘗めてんのか。』 そんな内田とは対象的に木村は冷静に話しをする。 『根拠はある、実はこの情報は俺が使ってる情報屋から手にした物なんだが、それによると依頼の仕方は何人かの医者が知っているみたいなんだが、その一人がまさにこの病院にいるんだ、
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