93人が本棚に入れています
本棚に追加
そのビンに寿命を延ばしてもらいたい者の名前と、待ち合わせ場所、日時を書いて入れ、隣の小池に投ろ、それが依頼のしかただ。』
木村は意識をやっとの思いで話た北村を暫く見つめた、その言葉に嘘の無い事を確信したのか、運転席の男に…
『日の出市の灯台に急げ、それと先生にはさらに罰を与えてやれ。』
と告げると、車は夜の暗闇の中灯台へと向けて走り出し、後部座席の男達は北村に対しての拷問を再開した、一本目が指先に刺さり終える間も無く北村は気を失ってしまった…。
約三時間後、暗闇が一段と増す中、木村達は目的の場所にいた。
『先生が言っていた洞窟を捜せ。』
その一言で三人の男達は一斉に辺りを探索し始める、間もなくして一人の男から…
『兄貴、ありましたぜ。』
と言う声が聞こえる、木村は一人を見張りとして車に残し、その現場へと急いだ、急な崖の下にポッカリと開いた洞窟の入口には海神神社と書かれた赤く大きな鳥居が建っていた、朝でも光りが刺しにくい場所にあるせいか、深夜の暗闇で真っ暗になっていて、懐中電灯の光も吸い込まれ、よら一層の不気味な存在になっている。
『いくぞ。』
北村を先頭に進む三人中はコウモリの巣になっているのかいたる所で飛び回っている、時々吹く潮風はまるで鬼が叫ぶかのような男を発していた、少し進むと光の先に小さいな祠(ほこら)が照らし出された、その扉を開けると北村の言っていたビンが横に置かれていた、木村は早速紙に橋本組長の名前、場所と日時 を書きさらにもう一枚の紙をそえビンにいれた、祠の左隣には小さな池があり、そのビンを池に放り投げ帰ろうとした、すると何とも言えない奇妙な声が洞窟内に響きわたった、反響のせいか耳を貫く声であり、同時に翼の羽ばたく音も聞こえる、その主は池のビンを取り出口へと消えていった…
『兄貴、さっきのは…』
『暗くて良く解らなかったが大きなカラスみたいだったな…』
いきなりの出来事にちょっとした混乱状態になっていたが、すぐに落ち着きをとり戻し木村達はその洞窟を離れ車に乗り込むと一度引き返す事務所へと走りだした。
一方、ビンを持ち出した謎の生物は地獄島に向かい海の上を飛んでいた、全長、2メーター以上はあるかなり大きな生物の正体は全身真っ黒な鷹(たか)であった…
最初のコメントを投稿しよう!