隣人。

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ばかさんが引っ越してきて、2ヶ月くらいたった。   今日は仕事が休み。 ベランダにでて外を眺めてると、ばかさんも出てきた。     『ぬあ!?』 ばかさんを見ると、上半身裸だ。 『あ、おはようございます。』 『お…おはようございます…』     思わず緊張する。 ばかさん筋肉ついてすごいいい体してるからだ。     と、ばかさんの頬が少し赤くなってることに気付いた。 『あのー、ほっぺ赤いですけど風邪?』 『えっ…?あ――』 ばかさんは赤くなった頬を押さえうつむいた。 『実は…彼女にふられちゃって――』 『えぇ!?フラレた?理由は理由?』 あたしは思わず聞きいる。   すると、ばかさんは耳を赤くして『好きな人ができたんですよね。』と呟いた。     『へー…どこの人?』 『か、関係ないっしょ!』 『いいじゃんかっ!ばかさんの隣人として―』 『ばかじゃねぇって!』   あたしたちはベランダにいることも忘れて、大声で言い合っていた。 ばかさんの好きな人…誰なんだ?         ばかさんの好きな人が明菜だということを知るのは、もう少し後の話である。       終。
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