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ゲーム画面をポーズにして、振り向く。
『じょ…冗談だろ?』
『冗談じゃないよ。本当。』
あたしは笑顔をつくる。
多分ヒドイ笑顔なんだろうな…心の中で思う。
『………』
ボーッとしてる壱。
この時の壱はいつも可愛いって思うけど、もうそれを見れるのも最後だ。
『ごめんね。我慢するって決めたのにできなかったんだぁ…』
『我慢…?』
『壱の仕事の邪魔しちゃいけないでしょ?だから…だから…―!?』
壱は急に立ち上がって、部屋を飛び出していった。
『壱…?か、ず…』
別れ話を聞くのが嫌になったから出てったのかな…。
あたしは悲しくて悲しくて、泣いた。
ゲーム画面をポーズにしたままだったから、リセットボタンとスイッチを押した。
暗くなる画面。
周りも静かになって、あたしはさらに悲しくなった。
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