684人が本棚に入れています
本棚に追加
バタン!!
大きく部屋のドアが開いた。
あたしはびっくりして、振り向くとさらに驚いた。
壱がいる。
『何で…――』
『仕事…辞めてきた。』
―――――は?
人気のある彼がそう簡単に仕事をやめる訳がない。
『仕事、やめたから……だから――別れるなんて言わないでくれ。』
壱はそう言うと、抱きついてきた。
『俺、景子と別れたら仕事やってけねぇもん。だからやめてきた。』
『本当にいいの?』
『うんっ…いいって。俺も会いたいの我慢できなくなったし。』
『げー!電源きったのかよ?』
『へ…?う、うん―もう一生来ないと思ってたから。』
『ぷっ…まぁいいや。なぁ、町にいこう。』
壱と街に出るのは初めてだ。
あたしは壱と一緒に家を出た。
『もう有名人じゃないから、遊び放題だよ。』
終。
最初のコメントを投稿しよう!