痛み

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「痛いよ」 允が口を尖らせて文句を並べる。 「我慢して。いっつも縛られてるからそのくらい慣れてるでしょ」 (否、そういう問題でもないだろ) と、端から見ている暁彦は心の中で突っ込んではみたが、口に出すとまた何か云われそうなので、自分の中だけに留めておいた。 允はというと、診察台の上に羽交い締め状態。 もちろん、全裸。 他人に対して肌を晒すという事に関しては羞恥心という感情をほとんど感じる事はないという、幼い頃からの経験によるものらしいのだが。 暁彦はそこまで深く探りはしなかった。別に、知りたいとも思わなかった。 第一、允が話そうとはしなかったから。
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