気付き

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『話って何?』 「………で」 俯いたまんまで肩を震わせながら呟いた。 『え?』 「愁に……近付かないで」 『!!』 「凛、もうすぐで死ぬんでしょ?! 皆知ってるんだからっ!!! それなら愁を苦しめる事になる!! だから、だからっ! 愁に近付かないで、よ!!!!」 ボロボロと涙を零しながら必死に言葉を発している舞を見ると、心が痛んだ。 そうだ、私……もうすぐ死ぬんだもの。 人を好きになっちゃいけない。 いけないんだ…。 『……舞が、幸せになるなら……』 「……」 『私、愁と会わない』 「!!!?」 まさか私が言うとは思わなかったらしく、目を見開いて驚いていた。 「でもっ、凛は…!」 『愁が好きだよ。 でも、私は人を好きになっちゃいけないもの。』 「り、ん……」 『舞、私の分まで頑張ってよ!!』 私が舞の肩を軽く叩くと、舞は何かが切れたように声をあげて泣いた。 これでいいの。 友達の幸せを願うのは……当たり前だもの。 「凛……いいの?」 泣き終えた舞は何度も聞き返してきた。 『大丈夫よ。 悪いけど、愁や秋人や麗奈に……しばらく会わないでって言っといてくれる?』 「………わかった。 ごめんなさい」 『舞は悪くない。 じゃあ、ね』 「うん」 舞の足音が聞こえなくなった瞬間、私の頬を涙が濡らした。 『哀しくない。 舞が幸せになるんだもの…。 哀しくなんか…… ヒック……う、ああぁ!!!!!』 耐え切れなかった。 唯一の心の支えである秋人、麗奈、舞……そして愁に会えないなんて。 ベットに倒れこんで枕に顔を沈ませて、泣いた。 心のすべてをはき出した。 ____
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