悲しみの絶頂

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「お、舞!遅かったな」 教室に入った瞬間、愁が話しかけた。 「あ、のね…… 皆に言いたい事があるの」 「「「?」」」 「凛が……もう保健室に来ないで、って」 ごめんね、凛。 あたしが幸せになるにはこの方法しかないの。 ごめんなさい。 「うそ、でしょ…?」 「舞、嘘つくのは… あかんで?」 「凛が、言ったのかよ」 「嘘、じゃない…」 しばらくの沈黙の後、麗奈ちゃんが泣きながら聞いてきた。 「凛には、もう会えない……の? 嫌だよ?うちら、やっと仲良くなったのに……そんなの…いや…!!」 「………落ち着け、麗奈」 「俺は、そんな言葉なんか信じねぇ。 今から保健室行って来る」 「!!……本当だよ!凛が言ったんだ」 愁に行って欲しくなかった。隣りにずっといてほしかった。 あたしを見ててほしかった。 「凛が言ったこそ、本人に聞きに行くんだよ」 「……」 「うちも行く!」 「俺も」 「秋人と麗奈は待ってろ。舞も」 「……わかった」 了承の言葉を愁に伝えると、愁は走って凛に会いに行った。 やっぱり、私の入る隙間はないのかな。 __
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