悲しみの絶頂

4/7
前へ
/68ページ
次へ
――凛視点―― 頭がクラクラする。 気持ち悪い。 もう、死んじゃうのかな? 死ぬ前に、愁に会いたかったな。 ――――ガラガラッ 「凛!!!!」 後ろを振り返ると愁が息を切らしていた。 『!!……来ないでって、言わなかったっけ?』 「…本当に来てほしくなかったのかよ」 『そう、だよ』 「あんなに楽しそうだったのにか?」 『……』 「凛」 愁の一言一言に心が揺らいだ。 もう、これ以上…… 苦しめないで。 『私に二度と会わないで』 「それは無理だ。」 『な、んでっ!!』 「凛が好きだから」 『!!』 今、なんて…? 「俺は凛が好きだ 付き合ってほしい」 『……』 「返事は?」 『…ごめん。 付き合えない』 愁も私の事が好きだなんて、すごく嬉しかった。 夢かと思ったぐらい。 でも、愁を傷つけたくないから…。 愁が好きだから… 愁とは付き合えない。 「………そっか。 会いに来ちゃダメなのか?」 『ダメ……』 「わかった。 秋人や麗奈、舞も俺も…待ってるからな」 『うん……!』 「じゃあな」 行かないで!! 私の思いも虚しく、愁は保健室から出ていってしまった。 『うっ……ヒック…… うあぁあ……!!』 枯れたはずの涙がまたあふれ出てきた。 拭っても拭っても、またあふれ出た。 _
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加