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泣いてから、時間がたった。
お母さんが迎えに来てる時間帯だから、早く帰らなきゃ。
そう思い、立ち上がろうとすると激しい目眩とお腹から苦いものが込み上げてきた。
『うっ…ゲホッ!』
口から血が大量に出てきて、立てないぐらい体が重くなった。
『ゲホッ……ゴホッ!!』
「佐藤さん!!」
遠のく意識の中、桜坂先生が叫んでいるのを聞いた。
「凛、綺麗でしょ?」
『わぁぁ!!初めて見た!!綺麗だね、お母さん!』
桜が綺麗に並んでいる所へお母さんと行った夢を見た。
それは過去の記憶でもある。
「ごめんね、私が凛のかわりになれれば…!」
『何言ってんの?お母さん。凛は凛だよ?
だからお母さんは凛のかわりなんてできないんだよ!!』
「!……そうね、凛は凛だもの。
あ、そうだ。桜ってなんで散るのかわかる?」
『ううん、知らない。なんで?』
「次も綺麗に咲くためよ。」
『そうなんだぁ!
じゃあ、凛も桜みたいになる!!』
「ふふ、凛ならなれるわ。綺麗な桜に」
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