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「友達とか、作らないのか?」
『…保健室しか来た事ないから友達なんていないよ。桜坂先生が友達かな』
アハハ、と無理に笑って凛は教科書を見た。
「じゃあ、俺が友達を連れて来てやるよ」
『…へ?』
「だから、放課になったら俺の友達を連れて来てやるっていってんだよ」
『……愁の友達だから不良さんなのかな?』
ふざけて笑った凛はすごく楽しそうだった。
俺まで幸せになりそうだった。
それからいっぱい喋った。俺が一方的に喋ってるだけなんだけどな……。
それでも凛は優しく微笑みながら頷いてくれた。
―――キーンコーン
「…帰んなきゃ」
『何暗くなってんのよ、ほらっ!早く行きなよ!!
私にはあなたの嫌いな勉強が待ってるんだから!!』
「うわっ!ひでぇ言い方!!
また来るから待ってろよ」
『ちゃんと不良の友達を連れてきなさいよ』
そう言って凛は手を振った。
「じゃあな」
ドアを閉めるギリギリまで手を振ってる凛に別れを告げて教室へ戻った。
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