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「なぁ、なんで凛ちゃんは保健室におるん?」
『!!』
秋人の言葉に少し焦った。舞も麗奈も愁も秋人もこっちを見ている。
『…ほら、愁に言った通りだよ。
風邪引きやすい体質だからさぁ!!』
「でも、そんなんだけで保健室登校なんて…ありえへんやろ?」
『……皆と体のつくりが違うからだよっ!
ねっ?もうこの話はやめようよ!』
「…そうだな。
言いたくねぇ事なんて皆あるんだしな」
「なんや、愁…。
お前もあるんか?」
「ばっ!!」
『愁ちゃん顔真っ赤!』
「秋人!!“も”って事はあんたもあるの!?うちに隠し事あるんね!!?」
「なっ!ちゃうねん!!ちょい待てや;」
「秋人君、麗奈ちゃん……落ち着いて;」
なんとかこの場からは逃れたけど、いつかは言わなきゃね。
でも、しばらく幸せに浸らせて。
もう少しだけでいいから……。
「あ、もう帰らなあかんやん…」
「そう、だね」
「なんか、寂しいな」
「そうだな」
ちょっと暗くなった雰囲気を盛り上げる為にニコニコしながら大きな声で言った。
『バカだなぁ、皆!
私はどこも行かないからまた来ればいいじゃない!!』
「………せやな!
凛ちゃんの言うとおりや!!」
「うん!じゃあね、凛!!」
「また来るね」
「大人しく勉強でもしとけー!」
皆、言いたい事を言って帰ってった。
『騒がしい奴等め』
文句を言っても顔は笑っていた凛であった。
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