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「取りあえず、日曜に菱沼先生に紹介してもらったとこに行くよ」
また歩みだした俺たちは、会話も再開する。
「晃さん、私と晃さんは幼少よりのお付き合いをしてきました。」
「そうだね、五才の時からだから13年はたつね。」
「はい、それは実の兄弟以上の間柄だと自負しておりました。」
「いやぁ、それは大袈裟だけど、確かに一番親しい間柄だと俺も思うよ」
「だからこそ、私は今深く傷ついております。」
「嫌だなぁ、なんでむっちんが傷つくんだよ。何て事ないよ、返せない額じゃないし。それより、言葉遣い昔に戻ってるよ?」
「戻しているんです。いいですか?私がこの高校に入学して以来、貴方との接触を控えたのは貴方が目立ちたくないとおっしゃるからです。お慕いしている方に迷惑がないよう我慢をして参りました。」
「それは今関係ないだろ?それに、最近は毎日の様に一緒じゃないか。」
「言いましたでしょう。高校生活の思い出だと、本来ならこの3年間、常にお側に控えとうございました。ですから、叶わぬ願いの代わりに残り僅かな日数を過ごす事でよしとしておりました。全て、大学ではお側で過ごしたいという想いからです」
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