プロローグ~告白は厳かに~

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菱沼は、組んでいた足をほどき机の上に置いてあったファイルへと手を伸ばす。 「ふむ、君は先週までは進学を希望していたみたいだが理由を聞いてもいいかね?この時期突然の進路変更はあまり好ましくないものでね。」 「いやー、父さんが倒産しちゃいまして」 うん、そんな目で見ないでくれ。一度言ってみたかったんだ。 「ちっ、経済的な理由による、進路変更ですね?」 そうだけど、舌打ち隠せよ。 「はい、出来れば仕事先を教えて頂きたいのですが。」 「この学校から、紹介出来る職種は…。ちょっと時期が遅いですからねぇ」 そう言うと菱沼はまた別のファイルをめくっている。 「あぁ、意外とありますね。」 「本当ですかっ!?どこです?」 「遠洋漁業6社、地方工事用員8社、高所作業が7社、よかったですね選び放題です」 へっ?
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