中学の制服きた私

2/3
前へ
/11ページ
次へ
「美羽、あんたまだお兄ちゃんに恋してる訳?」 中学の制服のまま商店街をぶらぶら歩いていると、横にいた渚がそう言ってきた。 「もちろん」 あの頃はまだ小さくて気持ち伝えられなかったけど、今度あったら伝えるんだ。 「小学生の頃に生き別れたんでしょ?いつか会える約束は?」 「してないよ」 「…それでも好きなの?」 「うん」 約束なんてものしてない 約束する時間も考えもなかった でもいつか会えるって信じてるから 『速報です』 商店街の電気用品の前のテレビの画面がいきなり変わる。パッと変わったアナウンサーが焦ったように原稿片手にマイクを取った。 『先ほど、男性が少年を12階マンションから投げ捨てるという事件がおきました。少年は17歳で体重は25キロ。やせ細っており身長は150しかないとの事です』 「…怖いね」 「怖いね―…」 お兄ちゃん お兄ちゃん あなたはどこにいますか こんな物騒な世の中で笑って生きていますか 私はそれなりに頑張ってます この前のテストで96点とりました また褒めてくれますか?
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加