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わぁへんくつじじいがきたー!
にげろーかまうとしかられるぞー!
玄関近くの路上で遊んでいた子供たちが逃げていきます、治平さんは、てやんでいくそガキ共めが!と怒鳴りながらドアを開け部屋に入ると近所中に響くくらい大きな音でドアを閉めました。
下町の喧騒もこの怒鳴り声がした後、夕暮れを迎え静かになります。
それは治平さんが大好きな酒をちびちびやっている時でした。
玄関のドアを誰かがノックする音がしました。
誰だこんな時間に、わしを迎えに来た死神か?
たいした冗談でもないのに治平さんは久しぶりにご機嫌で笑いだしました。
ところが玄関を開けたら誰もいなくて、ぽつんと段ボール箱が置かれているだけでした。
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