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箱の中にはきちんと並んで丸い頭にくるくる巻毛が一本はえた真っ黒な目をした何かが行儀良く入っていたのでした。
しかも全員が治平さんを一生懸命見つめていました。
うわっ何じゃこりゃ!
治平さんはしばらく固まっていましたが、すぐに笑いだしました。
今夜は飲み過ぎたかな、てやんでい、死神の奴が捨て子をして行きやがったぞ、わっははは。
治平さんが弾けたように笑いだしたので箱の中身は安心したかのように全員、小さな羽をぱたつかせて飛び回り始めました。
わはは、こりゃ愉快じゃ、頭でっかちの小鳥だったか、ほれ、もっと飛んでみろ、わははは、ほれほれ。
その夜、治平さんの家からは、酔った治平さんの笑う声が朝まで聞こえてきました。
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