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往古に交された契約
移ろう魄に約束された大地
営みを赦された証に
我ら此の躬に影を纒い
足掻く煉獄に影を縫う
帰還すべき聖地を悠久の刻に見失い
享受された安寧に叡知の劒は錆び
赦免の安堵に思索の楯を棄て
怠惰と退廃の甘受に慈愛の泉も枯渇した
暗愚なる皇が導き
罪深き民が就き従う
昏き帝の罪は無恥と妄執
憐れな民の罪は無知と盲従
滅び往く肉体の糧のみを欲し
無限に列なる靈の粮を獲ず
抗得ぬ緩慢な終焉に向かい
悔恨牽き摺るとも引き返せぬ道
滅亡への行軍は亡國の呪怨故か
闇に隠された盟約の定め故か
数多の祷は聴き入れられず
悲痛な願いも天には届かず
無限の時に編まれた牢獄
輪廻繰り返すとも永久の虜囚
死のみを畏れよ…
無に帰す亊能わぬ故に
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