第一章『親友』

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  「おはよ隼人。今日は遅かったな」 と、ここで親友でありこのアパートで同居している水上葵に声をかけられた。 勿論、夢と同じ人物だ。 見れば既に朝食の用意をしている。 「悪りぃ、寝過ごした。おはよ」 そう挨拶を返しながら椅子に座る。 葵はそんな俺に軽く笑い、向かい側に座った。 揃ったところで朝食を食べ始める。 (にしても…周りの奴らは葵のこんな姿なんか想像もしてなかっただろうな…) あまりの強さに深海の帝王とまで唄われた親友の家庭的な姿。 もっとも、これが本来の葵なのだが。 そう思いつつ言葉を投げ掛ける。 「お前マジ料理上手いよな。良いお嫁さんになれるぜ?」 「喧嘩売ってんのか?」 「馬鹿言え。深海の帝王さんに勝てるかよ」 「おま…その話題は無しだろっ」 そんな葵の反応にこぼれる笑み。 俺達の会話なんていつもこんな感じだ。 そんな他愛のない会話をしながら朝食を済ませる。 色々な事情がありお互い両親がいない状態な為、葵は家族に近いものもあった。 唯一心を許せる相手と言っても過言ではない。 そんな葵と準備を済ませ、学校へ行く為に外へと出た。  
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