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「おはよ隼人。今日は遅かったな」
と、ここで親友でありこのアパートで同居している水上葵に声をかけられた。
勿論、夢と同じ人物だ。
見れば既に朝食の用意をしている。
「悪りぃ、寝過ごした。おはよ」
そう挨拶を返しながら椅子に座る。
葵はそんな俺に軽く笑い、向かい側に座った。
揃ったところで朝食を食べ始める。
(にしても…周りの奴らは葵のこんな姿なんか想像もしてなかっただろうな…)
あまりの強さに深海の帝王とまで唄われた親友の家庭的な姿。
もっとも、これが本来の葵なのだが。
そう思いつつ言葉を投げ掛ける。
「お前マジ料理上手いよな。良いお嫁さんになれるぜ?」
「喧嘩売ってんのか?」
「馬鹿言え。深海の帝王さんに勝てるかよ」
「おま…その話題は無しだろっ」
そんな葵の反応にこぼれる笑み。
俺達の会話なんていつもこんな感じだ。
そんな他愛のない会話をしながら朝食を済ませる。
色々な事情がありお互い両親がいない状態な為、葵は家族に近いものもあった。
唯一心を許せる相手と言っても過言ではない。
そんな葵と準備を済ませ、学校へ行く為に外へと出た。
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