第一章『親友』

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  「ねぇあの二人かっこよくない!?」 「うんうん!やばいよね!」 歩いていると、俺達と同じ様に登校中の女子高生から会話が漏れ聞こえてくる。 目線がこちらに向いている為、言われなくても自分達の事だというのは明らかだ。 こういう事は日常茶飯事であり、中学の時もやたらと絡んでくる女子が多かった。 正直言って、そういう女子がウザくて仕方ない。 その分、今通っている高校は楽だ。 一応共学なのだが、男子校舎と女子校舎で分けられており、殆ど男子校と変わらない。 一つ問題があるとすれば… 「ぅおーっす!葵ー、隼人ー!」 そう、手を高々と挙げながら元気に走ってくるアイツだ。 「お二人さん!今日も仲良く登校かい!?」 「お前は朝からハイテンション過ぎだろ…」 無駄に元気な相手に溜め息混じりに言う。 こいつは同じクラスの木村一宏。 他にも友達はいるのに、やたらと俺達に構ってくる変わった奴だ。 「何だよ隼人冷てえなぁ。それに、俺の事はキムカズって呼んでくれって!」 「葵、遅刻しない内に行こうぜ」 「ああ、そうだな」 「無視!?」 サラッと流した俺と葵に速攻でツっこむ一宏。 毎日絡んでくる為、さすがにこいつの扱いにも慣れてしまった。 とりあえず、このまま平穏に過ごせれば良いだろうと思う。 だが、現実はそう甘くないようだ。  
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