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「ねぇあの二人かっこよくない!?」
「うんうん!やばいよね!」
歩いていると、俺達と同じ様に登校中の女子高生から会話が漏れ聞こえてくる。
目線がこちらに向いている為、言われなくても自分達の事だというのは明らかだ。
こういう事は日常茶飯事であり、中学の時もやたらと絡んでくる女子が多かった。
正直言って、そういう女子がウザくて仕方ない。
その分、今通っている高校は楽だ。
一応共学なのだが、男子校舎と女子校舎で分けられており、殆ど男子校と変わらない。
一つ問題があるとすれば…
「ぅおーっす!葵ー、隼人ー!」
そう、手を高々と挙げながら元気に走ってくるアイツだ。
「お二人さん!今日も仲良く登校かい!?」
「お前は朝からハイテンション過ぎだろ…」
無駄に元気な相手に溜め息混じりに言う。
こいつは同じクラスの木村一宏。
他にも友達はいるのに、やたらと俺達に構ってくる変わった奴だ。
「何だよ隼人冷てえなぁ。それに、俺の事はキムカズって呼んでくれって!」
「葵、遅刻しない内に行こうぜ」
「ああ、そうだな」
「無視!?」
サラッと流した俺と葵に速攻でツっこむ一宏。
毎日絡んでくる為、さすがにこいつの扱いにも慣れてしまった。
とりあえず、このまま平穏に過ごせれば良いだろうと思う。
だが、現実はそう甘くないようだ。
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