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切実募集■■■■
住み込み可、必要経費は全て給与から天引き。
あなたの才能を待っている人が居る!
先ずは下記迄!
090‐@@@@‐@@@@
〒×××‐××××
横浜市******
担当:天津奏手
(有)天津■■■
死ぬ→13万(家出時の全財産)って存外すぐ無くなる事を教訓に、このまま路上生活者となり、多摩川付近でビニールシートの家を建てる。
生きる→覚悟を決めて、電柱に貼られた謎の求人広告(?)に問い合わせてみる。
負ける→大人しく家に帰る。
連絡先が携帯だし、チラシもレポート用紙にサインペンで直筆だし。
テンシンソウシュって何だろう。
俺は、生きる事にした。
電車やコンビニから失敬した電力で、何とか充電を欠かした事の無い携帯電話を取り出す。
無論、自宅や友人関係は既に着信拒否済みだ。
「はい。」
少し無愛想な女性の声。
「あ、もしもし。」
「もしもし?」
「もしもし、あの…」
「もしもし言い過ぎだっつの!」
いきなりキレた!?
「いえ!あの!求人広告を見たのですが…テンシン様でよろしかったでしょうか?」
「アマツです、クソッタレ。」
アマツか。
字面から、つい天津甘栗を想像してしまった…。
相当腹が減っているらしい。
「失礼しました。こちらの求人の、業務内容について伺いたいのですが…」
「現在は、事務か軽作業スタッフを募集しています。あ…興味が有るようでしたら、事務所までお越し下されば説明出来ますし、本日でしたらすぐに面接も可能ですよ。」
喋りも少し穏やかになってきたようだ。
普通に喋ってれば結構感じが良いかもしれない。
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