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アリスはゆっくりと本に、震えている手を延ばした。
すると、まるでアリスに反応するかのようにアリスの手が近づくにつれて本が光り輝いた。
一旦アリスの手が止まり、視線がチェシェ猫に向いた。
「チェシェ猫さん…、本に入ってもそばにいてね」
「…アリスの言う通りに」
「ありがとう、チェシェ猫さん」
チェシェ猫の言葉を聞くと震えていた手はピタリと震えが止まり、意を決意したようにアリスの顔が引き締まった。
そのまま本に手を延ばして指先が本に触れた途端、視界が本の光りで真っ白になった。
「きゃっ…」
それと同時にアリスは全身に温もりを感じたが、光りに耐えきれず目を閉じてしまい、光りの温もりなのか、それとも別の何かに包まれているのかが分からなかった。
出会い♣完
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