打ち明けたい過去

2/34
前へ
/284ページ
次へ
3限が終わる頃、和樹はまだ保健室にいた。 まだ、大輔等にやられた衝撃が身に染みているのだろう。 和樹は、寝ているだけでは退屈なので、とりあえず何かを考えていることにした。 大輔が不良になった理由を…。 和樹が覚えている、大輔が不良になったのはちょっと変わった理由だった。 大輔は一年の時、元々不良ではない至って普通の高校生だった。 勇と雄二、浩司に大樹はその時でも不良だった。 その四人は、桜ノ宮街の隣街の高校「鷺ノ宮高校」の不良一団と争っていた。 だが相手は十人、こちらは四人だったらしく、更に相手は強すぎた。 だから、桜ノ宮高校の不良一団は負けてばかりだった。 人数を集めるにしても、度胸のない奴が多過ぎた。 さらに、負けたその日にはいつも校内の誰かを痛めつけては楽しんでいた。 そして、和樹が四人にいじめられていたある日の事。 「なぁ?殴ってばっかじゃつまらねぇから、こいつをボールにして遊ぼうぜ」 「おおっ、良いねぇ♪」 和樹は逃げようとしたが、逆に引っ張り様に倒されてしまった。
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加