92人が本棚に入れています
本棚に追加
3限が終わる頃、和樹はまだ保健室にいた。
まだ、大輔等にやられた衝撃が身に染みているのだろう。
和樹は、寝ているだけでは退屈なので、とりあえず何かを考えていることにした。
大輔が不良になった理由を…。
和樹が覚えている、大輔が不良になったのはちょっと変わった理由だった。
大輔は一年の時、元々不良ではない至って普通の高校生だった。
勇と雄二、浩司に大樹はその時でも不良だった。
その四人は、桜ノ宮街の隣街の高校「鷺ノ宮高校」の不良一団と争っていた。
だが相手は十人、こちらは四人だったらしく、更に相手は強すぎた。
だから、桜ノ宮高校の不良一団は負けてばかりだった。
人数を集めるにしても、度胸のない奴が多過ぎた。
さらに、負けたその日にはいつも校内の誰かを痛めつけては楽しんでいた。
そして、和樹が四人にいじめられていたある日の事。
「なぁ?殴ってばっかじゃつまらねぇから、こいつをボールにして遊ぼうぜ」
「おおっ、良いねぇ♪」
和樹は逃げようとしたが、逆に引っ張り様に倒されてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!