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4限終了後、和樹と他四人は保健室へ向かった。
保健室では、「月島 洋子」先生が五人分の怪我の手当てをしてくれた。
「はいっ、おしまいっ。ところで、その怪我誰にやられたの?」
「大輔にやられたんです」
月島先生の問いに大樹が答える。
「で、そこの和樹君の傷はあなたたちがやった…と?」
『…っ!?』
月島先生の洞察力に五人は驚く。
「なんでわかったんすか?大輔がやったとは考えなかったんすか?」
「あなたたちが不良だからでしょう?和樹君をいじめている所を良く見るから…」
否定はできない、もはや印象もかたく刻まれてしまっているだろう。
「それに、大輔君…本当は優しいんだよ」
「…はぁ!?あいつがですか?」
月島先生の言葉に、勇が声を上げる。
当然、月島先生以外は驚くだろう。
大輔の目立つ特徴と言えば、無口で友達いないし面倒くさがりや・キレやすい。
そんな大輔に、優しさの欠片でもあるのかさえ疑問だと思うだろう…が。
「大輔君ってね、人の不幸なところや不愉快なところを見るのが嫌いなの」
「だけど、それであいつは反省文の罰くらってさ。ざまあねぇよな」
雄二は文句を言うが。
「本当だったら、あなた達がそれをやる事になってたんでしょ?大輔君はそれをかばってくれたんじゃないのかな?どんな人でも助けるって子だから…」
それを聞いた雄二は目の色が変わった。
他四人は、良くわからない状態だった。
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