打ち明けたい過去

5/34
前へ
/284ページ
次へ
4限終了後、和樹と他四人は保健室へ向かった。 保健室では、「月島 洋子」先生が五人分の怪我の手当てをしてくれた。 「はいっ、おしまいっ。ところで、その怪我誰にやられたの?」 「大輔にやられたんです」 月島先生の問いに大樹が答える。 「で、そこの和樹君の傷はあなたたちがやった…と?」 『…っ!?』 月島先生の洞察力に五人は驚く。 「なんでわかったんすか?大輔がやったとは考えなかったんすか?」 「あなたたちが不良だからでしょう?和樹君をいじめている所を良く見るから…」 否定はできない、もはや印象もかたく刻まれてしまっているだろう。 「それに、大輔君…本当は優しいんだよ」 「…はぁ!?あいつがですか?」 月島先生の言葉に、勇が声を上げる。 当然、月島先生以外は驚くだろう。 大輔の目立つ特徴と言えば、無口で友達いないし面倒くさがりや・キレやすい。 そんな大輔に、優しさの欠片でもあるのかさえ疑問だと思うだろう…が。 「大輔君ってね、人の不幸なところや不愉快なところを見るのが嫌いなの」 「だけど、それであいつは反省文の罰くらってさ。ざまあねぇよな」 雄二は文句を言うが。 「本当だったら、あなた達がそれをやる事になってたんでしょ?大輔君はそれをかばってくれたんじゃないのかな?どんな人でも助けるって子だから…」 それを聞いた雄二は目の色が変わった。 他四人は、良くわからない状態だった。
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!

92人が本棚に入れています
本棚に追加