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「『大輔君は、悲しんでいる人や、辛く途方にくれている人を見ると立ち直さずにはいられない。だから、その辛さを出来る限り背負って、軽くしてあげているの』とも月島先生は言っていましたよ?」
矢崎は更に、月島先生の言葉を俺に伝える。
(あの先公…、余計なこと言いやがって…)
そう思い、恥ずかしさを覚える俺。
確かに、落ち込んでいるやつを見ると立て直さずにはいられないのは事実だ。
それは認める。
だが、それを優しいととらえるのは大きな間違いだと思った。
他の生徒に何度か言ったことはあるが、俺は暗い奴を見ているとイライラする。
それ故に、イライラと共に心の底からの言葉を叩きつけてストレスを解消している。
要は、単にストレス解消したいだけで、優しさという気持ちはみじんもないのである。
だが今は、勘違いながらもこうして感謝されているので…。
「あ、あぁ…。まあ、気にするな。当然の事をしたまでだ。はは…ははは…」
俺は、自分で言ってて気持ち悪いと思ったが、『どういたしまして』な気持ちが無いわけでもなかった。
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