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(何故俺にくっ付く~!?)
ここから、教室までの道のりで矢崎は何故か俺にくっ付いてくる。
酷い時は、腕に抱き付いたりもした。
悪い気はしなかったから、振りほどきはしなかった…が。
(周りからの視線が痛い…)
周りから「おいおい、マジかよ」的な視線が降りかかって来る…なので。
「おい、矢崎…」
「…はい、…何でしょう?…」
「これ…なんとかしろ」
俺は、矢崎に抱き付かれている腕を動かして指示をした…が。
「えと…それは…その…」
矢崎は、更に俺の腕に強く抱き付き、辺りを見回す。
(…あぁ、なるほど)
そういえば、こいつは人が大勢いる所は苦手だったなと思い出す俺。
だが、それで何故俺にくっ付くかがわからなかった。
俺は不良の様な性格ではないが不良だ。
俺が不良になったのは、隣の鷺ノ宮高校の不良一団が弱い者いじめをしているから、叩きのめそうという雄二との約束によるもので不良になった。
雄二がそんな約束をしてくるはずがないのだが、多分俺の「弱い奴を叩くのは許さない」という性格を何処かで知ったのだろう。
他の奴らから言わせれば、正義の味方とでも言うだろう。
だが、人を悪い意味でも良い意味でも殴り、蹴ることはいけないことだ。
良くないことをする。
だから自分で「不良」と言い改めているのだ。
とにかく俺は後で矢崎に、くっ付いた理由を聞いてみようと思った。
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