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俺は、教室に着いてからずっと柴田の質問に答えてばかりだ。
もう何度質問されたことか…。
大輔が教室に帰ってくるのが視界に入る。
大輔がここに入って来るまでに結構時間がたった様に感じる。
(あぁ…つかれた…)
そう思い始めた時…。
「ねぇ、和樹君のお母さんってどんな人なの?優しい?」
ドクン!!
今、俺の心臓が一瞬だけ強く高鳴った気がした。
(母さん…)
母親の呼称を聞いた俺の体は固まっていた。
俺が小さい頃の笑顔の母さん。
父さんの話でわかった、偽りの笑顔の母さん。
つまり俺の事を本当の意味で愛さなかった母さん。
父さんと対立意識してでも俺を奪おうとする母さん。
愛情ではなく、妙な欲望の満ちた目が並ではない、恐い母さん…。
(母さん…母さん母さん母さん母さん母さん母さん母さん母さん母さん母さん母さん母さん母さん母さん母さん母さん母さん母さん…)
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