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俺の頭の中がその言葉で埋め尽されようとした…その時。
「和樹君!!」
その言葉が聞こえたと同時に、俺は正気に戻った。
気付けばもう開始鈴は鳴っていた。
「…後で聞くね」
少し心配そうな表情をした後に、苦笑い気味に席へ戻る柴田。
少しだけ嫌な予感がした。
先ほど俺は、自分がどんな表情をしていたのかが、考えに夢中でわからなかった。
が、普通の表情をしていなかったのは確かだ。
そうでなければ、あんなにテンションが高そうな柴田が本気で心配する様な顔をするはずがない。
まだ一日も経っていないが、見たり話したりしていれば大抵の性格はわかる。
だから、こんな人のはずではないということがはっきりわかる。
色々考えたい事があったが、考えているときりがない様な気がしたので5限の授業に集中する事にした。
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