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5限の授業後、俺の所に柴田が寄って来た。
「和樹君、さっきはどうしたの?顔色が普通じゃなかったよ?もう本気で驚愕の色に染まってるって感じで…」
「そうだったのか?」
「そうだよぉ。もう!、自分の状態もわからないほど鈍感になっちゃったの?」
俺は、全く気付いていないという様子だという事は自分でもわかる。
先ほどは、ただ自分の中の不幸に夢中だったのだ。
自分の状態など気にしていられなかった。
が、気を取り直せ俺。
一々気にしていたら、立っていられなくなってしまうじゃないか。
「まあ…気にするな、柴田。お前が抱え込む様なことじゃない。余計な事に首突っ込まない方がいいぞ?6限体育だろ?早く更衣室に行った方が良いんじゃないのか?」
そうやって、柴田をはぐらかす俺だが…。
「…でも、放課後はちゃんと聞かせてもらうからね」
そう言って去って行く柴田。
そうして、俺の思ったことは…。
(放課後は…逃げよう…)
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