暗い気持ち 明るい気持ち

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7:45、学校の手前についた。 本当は、いつも8:00に出て8:15に着く習慣だった。 新しい習慣に変えると、不思議な感じがするのは皆も同じではないかと思う。 「はぁ、今年で二年生か…」 早いなぁと言おうとした時、朝最初の悲劇は起きた。 「なにが、『今年で二年生か』だ!?格好つけんじゃねぇ…よ!!…っと」 『ドカッ!』 背後から、俺の右足をキツく蹴って来る者がいた。 顔は見なくとも声でわかる。 彼の名は、「渡川 勇」。 この学校の中では、一番喧嘩っ早い。 ここの集団の副リーダーにあたる。 先輩に喧嘩を売っては勝ってしまう強者だ。 「何だよ和樹ぃ、今日は早えぇじゃねぇか…よ!!…クククッ」 『ガンッ!』 たわいもない一言と共に、後頭部からげんこつが来る。 「あ…あぁ、勇君も…早い…な」 朝からこの仕打ちはないだろうと仕切りに思った。 だが、逆らえない。 逆らったらまた、殴られそうな気がするから…。
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