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先ほどからかけ声をかけているのは、勇と雄二。
他の三人は楽しそうに見ている。
そして大輔は、倒れている俺を無理矢理自分の方へ向くように転がして…。
『ドンッ!』
「かはっ!…けはっ、けはっ…」
腹を蹴られた。
受けた俺にとっては、会心の一撃…とは大袈裟かもしれない。
だが…凄く痛い。
「あ~、面倒くさかった。おいお前等、和樹を保健室まで運んでいってやれ」
人を蹴っておきながら情けをかけた。
まったくもってわからない奴だ。
「おいおい、何言ってんだよ大輔。こんな奴運ばなくたって…」
「いいから黙って運べ!!後で和樹が倒れている所が見付かれば、必然的に俺達が先公に攻められるハメになるじゃねぇか!?面倒くせぇのは嫌いなんだよぉ!!」
大輔がキレた。
一回で言うことを聞かなかったからだろうか…。
「お…おぉ、すまん…大輔。じゃ…、また教室で…な」
雄二が謝り、俺を五人で運んでいく。
俺は保健室へ運ばれ、理由は『大人に絡まれた』という理由付けにされていた。
本当の理由は言えない。
殴られてしまうから…。
(次のページから、一旦大輔パートに移ります)
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