~ 序 ~

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―カツーン。 ―カツーン-。 非常出口の鈍い灯りだけが、照らす。 ―カツーン-。 ―カツーン。 長い廊下に、靴音だけが不気味に響く。 ―カツーン。―カツーン。―キュッ。 その靴音が、不意に止まる。 いや、その靴音の主は意図して止まったのだから、不意にではないか。 止まった先は、―図書室。 ―ガラッ。 靴音の主は暗闇だけが広がるその中に、吸い込まれるように入っていった。
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