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雪の日の事。
「寒いなぁ」
辺り一面真っ白ななか、
美しい漆黒の長くツヤのある髪は行き交う民の足を引き止めてしまうほど映えていた。
-----眉目秀麗-----
とはよく言ったものだ。
彼の名は【沖田総司】。
そんな彼はある人だかりに目を向けた。
「ん??なんだろう??」
- それが出逢い -
「黙ったままはいかんろ~」
「どっさり金もっちゅうがやろ??」
「命が惜しいがやったらさっさ出した方が身のためで~♪」
訛りかたが半端ない…
言い方は優しいがどこと無く威圧感がある。
恐らくケツの青い長人、もしくは土佐人だろう。
「貴様らこそ命惜しないん?」
沖田は囲まれている中心人物に初めて目をやった。
そこには、
蝶の柄がついた藍色の綺麗な着物を着た自分と似たくらいの歳の女の子が立っていた。
「お前女と思うて優しくしちゃりゆうがやに!!」
「そんな気遣いいりません。」
きっぱりとその娘は言い放った。
「そこ、どいて貰えませんやろか。」
「クッ…小娘の癖に生意気な!!」
次の瞬間一人の男が刀を抜いた!
『やられるッ!!』
周りの誰もが確信し逃げようとしたとき、
「大口叩く割には弱いなぁ~」
「よ、よくも愚弄しおって!!」
男達の怒りもピークのようだ…
それもそのはず。
己の身に降り懸かってくる白刃をいともたやすく避けて見せたのだ。
「切り捨ててくれるッッ!!」
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