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広大な宇宙の一角で、ソイツは産声を上げた。
確認されたのは50年程前。第一次銀河中心部調査隊がソレと接触した。
レーダーに映し出された艦影は戦艦クラスであったが、人類未開の宙域に戦艦が航行しているわけがない。不信に感じた艦隊提督は第一種戦闘配備で接触を試みた。
近付いて行くにつれて、その物体の詳細が明らかになっていく。
全体の色は黒く、宇宙の黒より黒い。
形は卵のような形をしていて、それでいて異様な金属光沢を放っていた。
徐々に艦隊はその得たいの知れない物体に近付いて行く。
それと同時に攻撃体制を整えていく。
各砲門が前方の物体に向けられている。
物体から300M程手前まで近付いたときだ。今まで卵型だった物体がどんどんと形を変えていった。
首が持ち上がり、両脇から羽が上がり、尾が生え、手足が現れた。
それを見た提督は攻撃を指示。確かにある種の対応ではあるが、これが滅びへの引き金となってしまった。
無数のミサイルや光学兵器が雨霰の如くその物体に降り注いだ。
それと同時に観測・録画も開始され、破片回収の準備も進められた。
閃光と煙がはけ、破片回収の為に艦が向かうが、前方から光が飛び込み、艦隊を飲み込んだ。
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