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暗幕が落とされ、一筋の光も差し込まない会議室でその映像が流されている。
見ているのは連合軍の上層部の人間達だ。全員が一様に信じられないと言う表情で見ている。
「…ご苦労だったな、通信兵。下がってよし」
「ハッ!失礼します」
敬礼して、通信兵はその場を去った。
「…はぁ…どうしたものか…」
机の一番中央にいる立派なアゴヒゲを生やした男が、肘を机に置き、指を組んでため息をついた。
「調査艦隊には通常艦隊よりよい装備を持たせていたのだが…30分と持たずして壊滅。あれは何だと分析するかね?」
「ハッ!映像からでは何とも言えませんが、未知の生物であることは確かのようです」
男から氏名され、同じく男がそう答えた。
位置や周りの反応を見た限り、あのアゴヒゲを生やした男が一番階級が高いようだ。
「生物…生物兵器ということか?」
「今のところは何とも…ですが元が卵だったところを見た限りでは兵器ではなく、生物と見た方がよろしいかと思います」
「わかった…」
そう言ってアゴヒゲの男は気むずかしい顔をした。
そもそも、現在銀河連合軍は頻繁では無いにせよ、紛争が起こっていた。
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