プロローグ

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「貴方たちは知らないでしょうけど、私はアリスは脳を90%以上活用できる特異体質なの。普通の人間ではまずあり得ないわ」 と、得意気にローズは言った。つまり簡単に言うと超×100天才と言うわけだ。 「それで本題なんだけど…まず、貴方たちには艦はありません。それで、貴方たちには艦の設計からやってもらうことになります」 二人ともポカーンと呆気にとられた。艦から造れなど、おおよそ常識的な命令ではない。 「アリスと共に貴方の言うアンビエント対策を施された試験艦を造って下さい。10年を計画しています」 「ちょっと待って下さい。いくらなんでもそれは無理があるんじゃないんですか?」 軍部ならともかく、事務局で艦を造れなどあり得ない話だ。費用・物質・アイデアなどなど、更にはデルトゥークとの関係まで考えると…やはり机上の空論と言わざるおえない状況だ。 「いいえ、無理じゃありません。元々計画事態は3年程前からあったものなのです。既に開発の費用や物質調達のルートは確保してあります。後は、貴方たち次第です」 つまり、初めから『やれ』と言われているのだ。にわかには信じがたい話ばかりだが、艦が無ければ何も出来ない。 結局、様々な不安を抱えたまま、シュバルツはローズの命令を承諾した。
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