僕と鬼の鬼ごっこ

7/21
前へ
/522ページ
次へ
なんて、不思議に思っていると 『もう良いかい?』 何処からともなく鬼ごっこ開始間近の合図が聞こえて来た。 「よし!!」 僕は再びパンッと頬を叩いて気合いをいれる。 「僕が君達を助けてあげる。」 ━━━━━━━━━━━━━ 『匂いがする…。』 涼弥が近くに。 『…図書館。』 俺は、急いで図書館迄の道を走る。 途中、子猫の鳴き声がゴミ置き場から聞こえたが、鬼の俺には全く興味のない事。 多分、ゴミ袋の中にいれられて捨てられたんだろう。 明日の朝には収集車が子猫の入った袋を潰し、中から真っ赤な液体が溢れ出る…。 『居たわ。』 セリアが先に、図書館の近くを走る涼弥に気付いた。 『お前達は俺の邪魔をするな。 涼弥を仕留めるのは俺だからな。』 低いトーンで言い、俺は静かに涼弥へと近付く。 が、俺が近付いているのを涼弥は気付いていた様で 「待ってたよ。」 と、振り向かず俺に。 正直驚いた。 気配を消して近付いたのに気付かれていたなんて…。 俺は涼弥の前へ。 『待っていた?』 「そうだよ。」 『どう言う事だ?お前は俺に殺されるのを望んでいるのか?』 眉間に皺を寄せて聞く。 すると 「まさか。僕は死にたくないよ。 それに、一馬の手で殺されるのは一番嫌。」 首を横に振りながら言う。
/522ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6131人が本棚に入れています
本棚に追加