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『もう良いか~い。』
『まーだだよぉ~クスクス(笑)』
「お兄ちゃん早くして!!」
先に家を出た初音が外から俺の部屋へ叫ぶ。
「解ってる!!」
勢い良く部屋のドアを開け、俺は外へ猛ダッシュ。
『もう良い?』
『ちょっと位、時間早くても良いよね?(笑)』
早く俺達の事を追い掛けたいのか、鬼が勝手な事を言いながら笑っている。
今日こそ俺達を殺そうと、やる気満々みたいだ。
俺は携帯に目をやる。
「こいつら、まだ2分残ってるって言うのに今日はやけに五月蠅い(うるさい)な。」
「そうだね。後数日で鬼ごっこが終わっちゃうから早く初音と、お兄ちゃんの心と身体が欲しいんだよ。」
俺の隣りで初音が言う。
『後…30秒。』
鬼ごっこ開始まで30秒に迫っている事を鬼が言い、それを聞いた玄関前で俺達を見ていた父さんが大声で
「本当の鬼を捜すんだ!!」
と叫び
『もう良いよ~。』
丁度鬼ごっこが始まった。
「はぁ…はぁ…。」
『早く食べたいわ~。』
思った通り、鬼ごっこが始まった途端、俺達の跡を鬼が追い掛けて来た。
「お兄ちゃん、何処かに隠れよう。
今日の鬼さん何か変。」
走りながら不安な顔をして初音が言う。
確かに今日の鬼は何か変だ。
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