6131人が本棚に入れています
本棚に追加
なんて、不思議に思っていると
『もう良いかい?』
何処からともなく鬼ごっこ開始間近の合図が聞こえて来た。
「よし!!」
僕は再びパンッと頬を叩いて気合いをいれる。
「僕が君達を助けてあげる。」
━━━━━━━━━━━━━
『匂いがする…。』
涼弥が近くに。
『…図書館。』
俺は、急いで図書館迄の道を走る。
途中、子猫の鳴き声がゴミ置き場から聞こえたが、鬼の俺には全く興味のない事。
多分、ゴミ袋の中にいれられて捨てられたんだろう。
明日の朝には収集車が子猫の入った袋を潰し、中から真っ赤な液体が溢れ出る…。
『居たわ。』
セリアが先に、図書館の近くを走る涼弥に気付いた。
『お前達は俺の邪魔をするな。
涼弥を仕留めるのは俺だからな。』
低いトーンで言い、俺は静かに涼弥へと近付く。
が、俺が近付いているのを涼弥は気付いていた様で
「待ってたよ。」
と、振り向かず俺に。
正直驚いた。
気配を消して近付いたのに気付かれていたなんて…。
俺は涼弥の前へ。
『待っていた?』
「そうだよ。」
『どう言う事だ?お前は俺に殺されるのを望んでいるのか?』
眉間に皺を寄せて聞く。
すると
「まさか。僕は死にたくないよ。
それに、一馬の手で殺されるのは一番嫌。」
首を横に振りながら言う。
最初のコメントを投稿しよう!