沈んだ5月

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放課後になり、ダンス部の活動場所へ向かうひとみに挨拶してからあたしは音楽準備室へ向かった。 あたしは吹奏楽部に正式に入部し、トランペット担当になった。 体験入部のときに見た、例のきれいな女の子も吹奏楽部に入部した。 彼女は、如月清恋(スミレ)という名だった。 「スミレ」というきれいな名前を聞いたとき、名前負けしてないなと思い、 「清恋」という漢字を見たときは、名前の見た目まできれいな女の子だなと思った。 同じ美人でも、ひとみとはタイプが違う。 清恋は自立した大人の女性のオーラを持つ美しさ。 クールビューティーって感じ。 これがあたしと清恋との出会いだった。
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