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  色素の薄い金色の髪を揺らして、今回もいつものように人をおちょくって笑っていた少年。 否、もう青年と呼んだほうがいいだろうか。 幼さの残る切れ長の瞳を持った面持ちは、青年とも少年とも取れるのだが。 彼の呼び名は、レン。 現在16歳。 あと半年ほどで17である。 此処には未成年という仕切りはないが、年齢からしてみると、彼はまだ少年なのだった。 彼は、職業柄『トレジス』と呼ばれている。 冒険屋裏稼業、その仕事故に。 「あーあ。ったくさ、次のミッションはどんンなんだろ」 伸びをすれば愚痴も漏れる。 トレジスの細々とした仕事の総称をミッションと言ったりするのは、記憶に置いていただきたい。 俺はふぁ…とあくびをして、壁に寄りかかった。 どうも最近、睡眠不足だ。 理由ってのはカンタンで、若いから仕方ないんだけど。  
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