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俺は今回、レベル2という
〝よくある〟
ミッションの報告をしていた。
全体的なミッションの内容とは主に、『核』を手に入れること。
核というのは、新たに発見された無限エネルギーである。
これを発見した者がトレジスの発生となり、国は近年、この便利なエネルギーに頼りきっていた。
核無しでの生活など考えられないという程に、依存しているのである。
そして、先ほど投げた銀色の立方体は『データキューブ』。
ミッション時に核とは別に取って来なくてはならない物だ。
その中にはじつに膨大な量のデータが処理、圧縮されている。
それ等を必要とするのは、政府だ。
この国の政府は『OGT』
(Ouria Government Trickend)
と呼ばれている。
或る世紀に訪れた大きな不況は、此所オーリアの国家をも潰した。
国家が潰れた後に、どうにか政府らしきものが出来たが、『政府』と名乗らずにあくまでOGTという組織として機能しているのだ。
俺は興味なんざさらっさら無い為、どうでもいいが。
また、先刻の男はいわゆる公務員。
歯車の一端だが、政府の役人だ。
あの男も、トレジスと同じようにOGTに雇われた者である。
どうにもお堅い連中が多いのは多少目を瞑るしかないようだ。
俺は壁から離れ、一つ伸びをした。
「金も出来たことだし……遊びにでも行くかなっ!」
トンッと軽やかな音を発て、陰気なその場を後にした。
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