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  ――――…。 さて。 此所は都心からあまり離れていない、パル・チェリィという歓楽街。 レン常時の、暇つぶし場所である。 普段なら誰かしら仲の良い奴が居るのだが、一斉ミッションというものが行われた所為で知り合いはまったく来ていない。 トレジス皆に召集がかかったが、俺は行っていなかった。 ぶっちゃけた話、サボりとも言う。 若干不満を抱え、険悪な雰囲気を纏いながら俺は歓楽街を練り歩いた。 ただ歩いているだけだというのにいろいろな奴に絡まれて、苛立ちは募る。 「つまんねーなぁ……」 ポツリと呟くのも虚脱感を覚えるだけで、なかなかにツラい。 俺は今、これまでにないくらいネオンの明るさに不釣り合いだろう。 帰る気なんか無いけどね。 ダラダラとふらつくだけなのに、行く先々で声をかけられた。 大抵が色目を使って、 「ね~ぇ、寄っていってよぉ」 などと甘い声。 もちろん女達である。 稀にゲイバーからのお誘いが ――というのは記憶から抹消済みだ。 「ねぇ……」 「あー、ごめん。寄るな」 今日は女達と遊ぶ気分じゃなくて。 結果的に人を避ける様に歩いていると――、 あまり人が寄付かない、街の端に来てしまっていた。  
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