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  近付いてよく見ると、案の定、声の主は酔った男の1人。 そいつを中心にして、他に5人の泥酔間近な男達が立っていた。 きっとムサい男6人で飲んでいたのだろう。 そいつ等からは切なさを感じたような気がした。 飲んだ理由がなんであれ、酔った勢いだかで人に絡むのは止めてほしいものだ。 常識ある奴は、分をわきまえる。 今のこの世界で常識なんてものを期待するほど、レンは馬鹿ではないのだが。 グッと足をついて伸びをすれば、絡まれている奴が見えて。 「……っうわぉ」 その一言以外には出なかった。 他の言葉が霞むほどに、そこに居たのは特異で目を魅く存在だったから。  
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